前回の記事「自由を追いかけて帯状疱疹になった私が、それでも「仕組み化」を辞めなかった理由」では、自由を求めてきた道のりを書きました。今回はその続き、第2章です。「では実際に、どう働いているのか」の話をします。
健聴の人は、耳ひとつで会議を聞きます。
でも私は違います。耳と目、二刀流で仕事をしています。
聴こえないことは、たしかにハンデです。でも私はある時から考え方を変えました。
「聴こえないなら、聴こえなくても回る“仕組み”を作ればいい」と。
今日はその仕事術を、できるだけ具体的にお話しします。
まず、聞く環境を「二重化」する
私の会議は、音声と文字が同時に走っています。
- 耳:iPhoneからTeamsの音声を聞く
- 目:パソコンで文字起こしを表示し、情報保障を強める
ここで大事なのが、イヤホン選びです。聴覚障害者は普通のイヤホンではなく、テレコイル対応のイヤホンやヘッドホンを使うと、補聴器と連携して音をクリアに届けられます。これは知らない人が本当に多いので、ぜひ覚えておいてください。
昔はもっと泥臭くやっていました。パソコンとイヤホンの間に専用の分配機をかませて、スマホとイヤホンの音を分岐させて試したり、文字起こしはUDトークを使ったり。試行錯誤の連続です。
ポイントはひとつの方法に頼らないこと。耳で取りこぼしても目で拾う。取りこぼしを“仕組み”で潰す——これが二刀流の発想です。
聴こえない前提で、仕事ごと自動化する
私は「電話」「口頭」「その場で聞く」を、できる限りテキストと自動化に置き換えてきました。
たとえば私の朝。PythonとGAS(Google Apps Script)が前日のデータを夜中のうちに自動集計して、朝3時には主要な数字が全部テキストで勝手に届くようになっています。売上レポートも、お金の動きも、自分が動かなくても通知が来る。誰かに電話で聞く必要も、聞き返す必要もありません。
聴こえないからこそ、「音を前提にしない設計」が体に染みついています。これは実は、難聴エンジニアだけが持てる強い視点なんです。
でも、最強の仕組みは「もう一度言ってください!」
ここまでAI、自動化、テレコイルと、テクノロジーの話をしてきましたが——一番強い武器は、実はもっとシンプルです。
聴こえなかったら、
普通に「もう一度言ってください!」と言えばいい。
相手は人間です。わからないことを、わからないままにするのが一番最悪なんです。
だから私は、自分の弱みを堂々と言います。
「分析とコードは得意です。PC操作で効率化をするのに夢中になります。でも文章作成は苦手です」と、隠さずはっきり言う。
弱みを隠す人より、弱みを言える人のほうが強い。私はそう思っています。
弱みを言える人は、ちゃんと武器を持っている
なぜ堂々と弱みを言えるのか。それは武器があるからです。
会社は多くの場合、「得意なもの=即戦力」で人を見ます。だからこそ、自分の武器を持ちましょう。
武器がなければ、趣味からで構いません。「なぜ自分はこれに夢中になるのか?」を自己分析してください。
そして今は、最高の道具があります。AIやストレングスファインダーです。これを使って強みを言語化し、点と点をつなぐんです。
試しに、私が自分の実績をAIに並べて「強みは何?」と分析させてみました。返ってきたのはこれです。
「当事者として本物の課題を見つけ、AIを指揮して、動く仕組みに仕上げて、つなぐ人」
コードが書ける・分析が得意、は“素材”にすぎない。本当の強みは、その上で「発見→構想→完遂→統合」を一人で回せることだ——と。
自分でも気づいていなかった輪郭が、AIによってくっきり言語化されました。これは自分でやらないと、絶対に見つかりません。
強みは変わっていい。目標は「自由になる」こと
最後にひとつ。
ここで書いた強みは、あくまで“今の”私です。
私は変化を好みます。だから1ヶ月後、1年後、10年後には、私の強みはまた変わっているはずです。
なぜなら、私の目標は「自由になる」ことだから。
強みは固定しなくていい。変わっていい。
人生は一度きりです。やらない後悔より、やる後悔を、とことん実行しましょう。


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