自由を追いかけて帯状疱疹になった私が、それでも「仕組み化」を辞めなかった理由

40代前半で眼鏡と補聴器をつけた男性が夜の仕事場でノートパソコンに向かい考え込んでいる。背景のホワイトボードに仕組み化のフロー図が描かれている

この記事は、自由を求めて2度挫折した私が、PythonやAIという「仕組み」を使って本当の自立を目指すまでの記録です。難聴というハンデを抱えながらも、感情ではなく設計で動くようになるまでの道のりを、正直に書きます。

1. 19歳での挫折:自由への憧れと最初の失敗

最初の職場は研究職だった。会議はなく、上司から指示をもらい、実験して結果を報告する静かな日々。そこでExcel VBAに出会った。繰り返しの作業がコードで消えていく感覚が、妙に性に合っていた。

でも当時の自分には、もっと大きな野心があった。副業でスキューバーダイビングを教え始め、さらに「これで独立できる」と思ったビジネスに手を出した。本気でそれが自由への道だと信じていた。

研究職でExcel VBAに出会う場面、スキューバダイビングとビジネスの夢を思い描く場面、退職届を出す場面

職場にバレて、辞めることになった。

若気の至りだったと今は思う。でも「会社に縛られたくない」という気持ちだけは、本物だった。

2. 自分探しの10年で見つけた「自分の得意と適性」

退職後、しばらく自分が何をしたいのかわからなかった。

ごみ収集、引越し作業、倉庫でのピッキング、朝のファストフード店、夜の飲食店のホール。いろんな仕事を転々とした。どれも続かなかったというより、やるたびに「これじゃない」という感覚が積み重なっていった。

ごみ収集や引越し作業の肉体労働をする場面、飲食店のホールで働く場面、秋葉原でExcelの請求書を作り これだ という感覚を得る場面

気づいたのは、自分はデータや仕組みを扱うときだけ、時間を忘れて集中できるということだった。

秋葉原のキャンペーンスタッフとして働いたとき、Excelで請求書を作る機会があった。その瞬間、また「これだ」という感覚が戻ってきた。その後レントラックジャパンに転職し、AccessとPythonで本格的にデータと向き合うようになった。仕組みを作ることで仕事が変わる実感が、少しずつ戻ってきた。

3. 年収ダウンの危機と、せどり・Pythonへの挑戦

長く勤めた会社で、会社都合の合併が続いた。気づいたときには年収が大幅に下がっていた。昇給の見込みもなかった。

そのタイミングで「会社に依存しない生き方」をテーマにした発信者の動画に出会い、せどりを始めた。同時にPythonで自動化の仕組みを作り始めた。

具体的には、仕入れ候補の価格を自動で取得するスクレイパー、売上と利益をGoogleスプレッドシートに集約するダッシュボード、LINEへの在庫アラート通知。感覚ではなくデータで判断できる仕組みを、少しずつ育てていった。

仕事終わりも、休日も、時間があれば動き続けた。19歳のときと同じだった。「今度こそ自由になれる」という気持ちで、ひたすら走り続けていた。

4. 体の限界:帯状疱疹が教えてくれた「感情で動くリスク」

ある日、体に発疹が出た。帯状疱疹だった。

腕に帯状疱疹が出た様子を医師に見せている場面。転職活動を中断して完治に専念すると書かれている

医師から「ストレスと疲労が引き金になりやすい」と聞いた。思い当たることしかなかった。仕事、副業、転職活動、将来への焦り。全部を同時に抱えて、無理に動き続けていた。

転職は一時中断した。まず完治することだけに集中した。

この経験から学んだことがある。「熱量だけで動くと、体が止める」ということだ。感情で突っ走る限り、必ずどこかで壁にぶつかる。仕組みがなければ、自分自身が消耗品になる。

5. 制約(難聴)を強みに変える:衝動ではなく「設計」で動く

完治してから転職した。今の職場ではAIや自動化の仕組みを作り続けている。

自分には難聴がある。会議室で全員の声を拾えない日もある。最初はそれがコンプレックスだったが、ある日上司に言われた言葉が変わった。「あなたの強みは分析と提案だ」と。

聴こえない分を無理に補おうとするより、「AIによる文字起こしやツールを使った仕組みで解決できます」と提案する側に回る。それが自分のポジションだと決めた。制約があるから、仕組みを作る理由が生まれる。難聴は弱点ではなく、自動化にこだわり続ける動機になっている。

現在は朝3時に起きて、瞑想・記録・業務チェックをこなしてから出勤する。副業の仕組みも、本業の自動化も、この朝の時間が土台になっている。感情で動いていた頃とは、リズムが根本から違う。

男性が朝3時に瞑想している場面と、設計する→仕組みにする→自由をつくる というメモが置かれた机の場面

6. 結論:自由は勢いではなく「仕組み」で掴むもの

19歳のときは熱量だけがあった。今は仕組みがある。

自動化のコード、データの蓄積、このブログ、副業の記録。会社に頼らなくても動き続けられる土台が、少しずつできてきている。

体を壊して気づいたのは、自由は「なりたい気持ち」では手に入らないということだ。仕組みだけが、確実に近づけてくれる。

同じように「会社に縛られたくない」と思いながらも、どこから手をつければいいかわからない人に、この記録が少しでも参考になれば十分だ。

もし、あなたも現状に焦りを感じているなら、まずは毎日の小さなルーティンを見直すか、Excelの簡単な自動化から触れてみてください。勢いではなく、今日作る小さな「仕組み」こそが、未来の自由への確実な一歩になります。

筆者プロフィール

難聴を持ちながら、VBA・Python・AIを使った業務自動化を専門とするバックオフィスエンジニア。せどり副業と本業を並行しながら、経済的自立を目指して仕組みを作り続けている。deafedge.comでは「つくる/聴こえないこと/自由になる」の3つの軸で発信中。なお、本業のキャリアの回り道については「私がAIを使い続ける理由」でも詳しく書いている。

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この記事を書いた人
とおる

両耳が聞こえにくい会社員です。障害者雇用の枠で働きながら、副業でせどりもしています。
聞こえないぶんは、AIと仕組みで補っています。補聴器とiPhoneを直結し、会議は字幕を使い、面倒な作業は自動で終わらせる。そんな日々の工夫を、専門用語なしで書いています。
妻と中学生の娘との3人家族です。

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