難聴の私が、聞き逃しを「文字の記録」で取り戻す仕事の仕組み|毎日使うアプリとAI

夕方の会社の机で、40代前半に見える、メガネと補聴器をつけた男性が3枚の画面の前にいる。AIのまとめが文字のカードとして積み重なっていく。左に「聞き逃しても、文字で取り戻す。」の文字

私は両耳とも難聴のエンジニアです。以前、仕事机のまわりの道具をぜんぶ公開する記事を書きました。その最後に「次は、この机の上で毎日動かしているソフトの話を書きます」と約束しています。この記事は、その続きです。

ちなみに今、会社ではノートパソコンとモニター2台の、合わせて3枚の画面を使っています。キーボードとトラックボール(指で玉を転がしてカーソルを動かすマウス)は、前の記事のままです。

机の上の道具は、頭の中の処理を減らすためのものでした。画面の中のソフトやAIは、少し役割が違います。私にとっては、聞き逃したことを「文字の記録」で取り戻すための道具です。

私の1日の流れを先に書くと、こうなります。

  1. 会議は、Teamsの字幕で聞く(それでも取りこぼしは出る)
  2. 1日の終わりに、その日の仕事をAIにまとめてもらう
  3. まとめを文字で残し、あとから何度でも確かめる
  4. 今は、その記録を使って「私が休んだ日にチームが聞けるAI」を作っている途中

この記事でわかること
– 難聴の私が、聞き逃しを文字で補うために使っているソフトとAI
– 1日の終わりに、その日の仕事をAIにまとめてもらい、文字で残す仕組み
– 休んだ日にも仕事が止まらないように、今作っている途中のこと

毎日開いているソフトとAI

仕事で毎日開いているものを、まず並べておきます。

【仕事のソフト】
– Excel(表計算)
– Access(データをためて探すソフト)
– Power BI(数字をグラフにして見えるようにするソフト)
– Teams(会議とチャット)

【プログラムを書く道具】
– VS Code(プログラムを書くソフト)
– GitHub Copilot(プログラムを書くのを手伝うAI)
– AzureのAI(マイクロソフトのAIを、自分で作った仕組みから呼び出す入口)

【AI】
– 会社:Claude・ChatGPT・Copilot(マイクロソフトのAI。GitHub Copilotとは別のもの)
– 家:Claude・ChatGPT・Perplexity

会社と家で、使うAIが少し違います。会社はセキュリティ(情報を外に出さないための決まり)が厳しいので、会社が使ってよいと決めたものだけを使っています。

たくさん並べましたが、この記事では、この中から「聞き逃しを文字で補う」ために使っているものにしぼって書きます。

会議の字幕は、Teamsだけにした

【使用ツール】 Microsoft Teams
【仕組み】 会議の声を、その場で文字にして画面に出す

以前は、UDトーク(話した声を文字に変えるアプリ)も使っていました。今は使っていません。Teamsだけで文字起こしができるようになったからです。この乗りかえの話は、文字起こしアプリの記事にくわしく書きました。

40代前半に見える、メガネと補聴器をつけた男性が、大人数のオンライン会議の画面を見ている。画面の下には字幕の帯が出ているが、ところどころ途切れている

ただ、Teamsの字幕も100%ではありません。私の感覚では、人数が多い会議になると、正しく文字にならないところが出てきます。

だからこそ、「その場で全部聞き取る」だけに頼らない仕組みが必要でした。

ふつうの表情のカワウソ
とおる

字幕があっても、人数が多いと取りこぼしが出ます。だから「あとで確かめられる形」で残すことにしました。

1日の終わりに、その日の仕事をAIにまとめてもらう

【使用ツール】 Copilot(マイクロソフトのAI)/GitHub(会社が用意した、記録をしまっておく場所)
【仕組み】 その日の作業をCopilotにまとめてもらう → 出てきた文章を自分でコピーしてGitHubに貼る

会社のAIは、セキュリティの決まりで、話した内容を長く覚えておけません。次の日になると、前の日に何をしたかをAIは知らないのです。

そこで私は、1日の終わりに、その日に取り組んだ内容をCopilotにまとめてもらっています。私が使っている範囲では、Teamsの会議の文字起こしの内容も、まとめに入れてくれるようです。出てきたまとめの文章は、自分でコピーして、会社が用意したGitHubに貼っています。本当は自動で入るようにしたいのですが、社内の仕組みではそれができないので、今は手作業です。

40代前半に見える、メガネと補聴器をつけた男性が、画面のAIが出したまとめのカードを、自分の手でコピーして、記録をしまう場所へ貼りつけている

残した記録は、こんなふうに使っています。

  • 自分の振り返りとチェック
  • チームのみんなに、私が何をしたのかを伝える
  • 会議の内容を忘れたときに、あとから確かめる

会議の内容もこのまとめに入るので、あとから会議を振り返るときにも使っています。私は、会議で聞きながら議事録(会議の記録)を書くことはできません(会議の記事に理由を書いています)。それでも、あとから文字で確かめられる形が、毎日たまっていきます。

作っている途中:私が休んだ日に、チームが聞けるAI

【仕組み】 毎日ためた記録をもとに、「私の仕事」を答えられるAIを作る

もし私が病気で出勤できない日があったら、チームは「とおるさんのあの仕事、どこまで進んでいたんだろう」と困ってしまいます。

そこで今、毎日ためている記録をもとに、私専用のAIエージェント(質問に答えたり作業したりしてくれるAI)を作っています。私がいなくても、チームがそのAIに聞けば、私が何をしていたかが分かる。そんな状態をめざしています。

持ち主が席を外している机で、チームのメンバーがパソコンの画面の中のAIに質問している想像の場面。AIの画面は組み立て中の部品が並んでいる

まだ作っている途中なので、うまくいくかどうかは、これから確かめていきます。

ひらめいたカワウソ
とおる

毎日の記録がたまれば、私が休んだ日でもチームが困らない。今はそこを作っているところです。

おまけ:家の電話は、録音ボタンで文字にする

会社では電話を使っていません。一方、家で電話をするときは、iPhoneの通話録音を使っています(iOS 18.1以降の、対応する地域と言語で使える機能です)。

通話中に自分で録音ボタンを押すと、あとで文字起こしがメモアプリに残ります。押さなければ、文字にはなりません。

自宅のリビングで、40代前半に見える、メガネと補聴器をつけた男性が、iPhoneを口元に持って話しながら、画面の赤い録音ボタンを指で押している

ここでも「あとから文字で確かめる」という考え方は同じです。電話が聞き取りにくい話は、電話の記事に書いています。

「聞き逃さない」より、「あとから取り戻せる」

聞き逃しても、あとから文字で取り戻せる。この仕組みを作ってきて、私の中でいちばん変わったのは、「覚えておかなきゃ」という気持ちが減ったことです。

前の記事で、私は道具を替えてきた理由を「頭の中の処理を減らしたかったから」と書きました。聴こえない分だけ、私は人と話すときに頭を使います。そのうえ、聞いたことを全部覚えておこうとすると、頭がいっぱいになってしまいます。

覚えておく役目は、文字の記録とAIに任せることにしました。そのぶん、目の前の仕事に頭を使えます。

難聴だから、聞き逃しをなくすことはできません。でも、聞き逃しても困らない仕組みは作れます。

まとめ

私が大事にしているのは、聞き逃さないことよりも、聞き逃してもあとから確かめられる形を作ることです。画面の中で毎日使っている道具は、そのためのものです。

もし今、会議や電話で聞き逃したことに悩んでいるなら、まずは「その日のことを文字で残す」ところから始めてみてください。字幕でも、録音の文字起こしでも、AIのまとめでも構いません。文字で残っていれば、あとから何度でも確かめられます。

お礼をするカワウソ
とおる

聞き逃しても、文字で残っていれば取り戻せます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人
とおる

両耳が聞こえにくい会社員です。障害者雇用の枠で働きながら、副業でせどりもしています。
聞こえないぶんは、AIと仕組みで補っています。補聴器とiPhoneを直結し、会議は字幕を使い、面倒な作業は自動で終わらせる。そんな日々の工夫を、専門用語なしで書いています。
妻と中学生の娘との3人家族です。

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