聞き逃して、答えられなかった。
雑談の輪に、入れなかった。
会議で、話に置いていかれた。
私も、何度もあります。一度や二度ではありません。
私は感音性難聴で、両耳に補聴器をつけて働いています。この記事は「こうすればつらくなくなる」という話ではありません。同じようにつらい場面を何度もくぐってきた私が、実際にやっていることの話です。
この記事でわかること
- 聞き逃し・雑談・会議のつらさに、私がどう向き合っているか
- 会社に大きな損失を出してしまったとき、私が何をしたか
- それでもつらいときの、環境の変え方
なお、就職や面接の話は別の記事に書きました。この記事は「いま働いていて、つらい」ときの話です。
聞き逃しも、雑談に入れないことも、何度もあります
最初に正直に書きます。
聞き逃しての失敗も、雑談に入れないことも、会議で置いていかれることも、私は何度も経験しています。いまも、なくなってはいません。

そのうえで、私は「気にしても仕方がない」と開き直っています。
ただし、開き直ることと、放置することは違います。私は開き直りますが、そのまま放置はしません。ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
待っていても、相手は接し方が分からない
なぜ放置しないのか。理由は単純です。
相手も、聴覚障害のある人にどう接すればいいか、分からないからです。
こちらが黙って待っていても、相手は「どう声をかけていいか分からない」まま止まっています。だから、待つより自分から動くしかないのです。

私が実際に上司に言っている言葉を、そのまま書きます。
- 「この案件、答えられなかったのですが、大丈夫ですか?」
- 「この件を、もう一度聞かせてください」
こう聞くと、上司はそのときどきで「これは◯◯してほしい」「大丈夫」と返してくれます。黙って抱えているより、聞いたほうが早いのです。

相手は待っています。だから、こちらから声をかけます。
もう一つ、心がけていることがあります。先手で伝えることです。
上司にもスケジュールがあります。問題が大きくなってから伝えるより、早めに伝えたほうが、上司も動きやすい。だから私は、なるべく先に伝えるようにしています。
そして、これも書いておきたいのです。
気にしないなら、それでもいい。気になるなら、その都度、自分から話せばいい。どちらでもいいのです。大事なのは、自分がどうありたいかです。
たとえば雑談なら、「実は雑談に入りたいのですが、どんな話かうまく聞き取れなくて入れません。大丈夫ですか?」と聞いてもいいと思います。
ただ、正直に書くと、いまの私は、雑談のことをそこまで深く考えていません。目の前の業務を早く終わらせるほうに、気持ちが向いているからです。気にならないなら、それでいい。気になったら、聞けばいい。本当に、それだけなのです。
得意・不得意は、チームリーダーに伝える
ただし、会社はチームで動いています。自分ひとりの「どうありたいか」だけでは済まない部分もあります。
だから私は、自分の得意なこと・不得意なことを、チームリーダーに伝えるようにしています。

チームリーダーは、チームをまとめて動かすのが役割の人です。メンバーの得意・不得意を知ることは、リーダーの仕事の材料になります。だから、遠慮はいりません。伝えることは、わがままではなく、チームへの協力です。
もし伝えても聞いてもらえないなら、部署を変えてもらう相談をするか、転職という道もあります。
もちろん、すぐに環境を変えられない事情がある人も、いると思います。だから、まずは今いる場所でできることを試す。それでも変わらないなら、環境を変えることも選択肢に入れていい。私はそう考えています。
人生は一度きりです。変えたいなら、行動していきましょう。
会社に大きな損失を出したとき、私がやったこと
「辞めたい」と思ったことは、もちろんあります。
いちばん大きかったのは、お金にかかわる失敗で、会社に大きな損失を出してしまったときです。会社の看板に泥を塗ってしまった、と思いました。
そのとき私がやったのは、こうです。
まず、上司の指示にしたがって、Excelで正しい数値を計算し直して、訂正しました。当時の私は、まだ仕事の仕組みがよく分かっていない時期でした。だからこそ、ひとりで抱えずに、上司と一緒に立て直しました。

そして、そこで考えたのです。数字を扱う人間は、手で入力するのを避けたほうがいい、と。
人からの依頼を、手で打ち直すのではなく、そのまま反映できる方法に変えていく。この改善が、いま私がやっている業務効率化の原点になりました。失敗が、仕組みづくりの出発点になったのです。
私にとって自動化は、仕事を速くするためだけのものではありません。人が間違えやすい作業を、仕組みに渡すことでもあります。同じ失敗を繰り返さないための、いちばん確実な方法だと思っているのです。

失敗のあとの動き方は、自分で選べます。
会社に勤めている以上、失敗はつきものです。私が接してきた経営側の人たちも、そこは分かってくれていました。
大事なのは、失敗したあとです。放置するのではなく、スピード感をもって対処して、同じ失敗が起きない仕組みをつくる。私はそう動いてきました。そして、その動きを評価してくれる会社も、実際にありました。
うまくいかない日は、いまでもあります
きれいごとにならないように、いまの話も書きます。
私はいま、AIを使ってプログラムを組む仕事もしています。それでも、なかなかうまくいかないことはあります。AIを使っても、限界はあるのです。

そういうとき、私は一度立ち止まります。別の案件を先に進めるか、気分転換をするか。ねばり続けるだけが、やり方ではありません。
そして、ここでも上司にすぐ伝えます。
「これがうまくいかないので、ちょっと別の案件を進めますね」
こう言うと、上司から「こうしてみたら」と提案が返ってくることもあれば、「了解」のひとことで済むこともあります。どちらにしても、黙って止まっているより、ずっといいのです。
それでもつらいなら、環境を変えていい
最後に、環境そのものの話をします。
私は、人間関係がつらくて会社を辞めたことはありません。ただ、会社の組織が変わって人事の制度が見直され、収入が大きく下がったことがあります。
私はまず、頑張って収入を戻そうとしました。でも、結果を出しきれませんでした。それで、転職に踏み切りました。
つまり、こういうことです。その場で戦うことも、環境を変えることも、どちらも選べます。私は両方やりました。順番として、まず動いてみて、それでもだめなら環境を変える。それでいいと思っています。

転職は大きな決断ですが、転職活動そのものは、いつでも始められて、いつでもやめられます。私が障害者雇用枠で転職したときの流れは「聴覚障害の就職は不利だけじゃない」に、面接の場面のことは「難聴の私が、面接を怖いと思わない理由」に書きました。つらさが限界に近い人は、先にこちらを読んでみてください。
まとめ:毎日が成功だったら、つまらない
私がやっていることを、ならべ直します。
- 聞き逃しも雑談も、開き直る。でも放置はせず、自分から上司に声をかける
- 上司にもスケジュールがあるから、先手で伝える
- 得意・不得意はチームリーダーに伝える。それはわがままではなく、チームへの協力
- 失敗したら、スピード感をもって対処して、再発しない仕組みをつくる
- 伝えても変わらないなら、異動の相談や転職という道もある
私は、人生は失敗がつきものだと思っています。失敗した日は、その日はつらい。でも、あとから振り返ると、その失敗から仕組みが生まれたこともありました。
毎日が成功だったら、人生はつまらない。 いまの私は、そう思っています。

失敗があるから、次の仕組みが生まれます。
もし、いまの仕事がつらくて、この記事にたどり着いたのなら。
まずひとつだけ、試してみてください。次に聞き逃したとき、あとからでいいので、上司にひとこと聞いてみる。「さっきの件、答えられなかったのですが、大丈夫でしたか?」——それだけで、相手の反応は変わります。
職場の側にできることも、もちろんあります。でも、相手が私の聞こえ方をすべて分かってくれるとは限りません。だから私は、待つより、自分から動くことを選んでいます。
※この記事は、私自身の体験と、そこから考えたことの整理です。すべての職場・すべての人に当てはまる方法ではありません。合う部分だけ、持ち帰ってもらえたらうれしいです。


