難聴の私が、会話で疲れる理由と、無理して付き合わない付き合い方

40代前半で眼鏡と補聴器をつけた男性が、頬に手を当てて疲れた表情をしている。背景には吹き出しで「口の動きを読む」「聞き返す」「気をつかう」と書かれ、矢印で「会話が続くほど疲れる」につながっている

会話が終わったあと、どっと疲れる。

そう感じたことがある方は、少なくないと思います。私にも、よくあります。

私は感音性難聴で、両耳に補聴器をつけて働いています。普段の私は、音を聞くだけでなく、相手の口の動きを見て、聞き取れなければ聞き返し、相手にも気をつかいながら会話をしています。この3つが同時に乗っているぶん、会話が続くほど疲れがたまっていきます。

会議の中での聞こえ方や字幕の使い方は難聴で会議が聞こえない私が、会議の前と後にやっていることに書きました。今回は、会議に限りません。会議以外の、ふつうの会話でどうして疲れるのか、疲れたときに何をしているのかを書きます。

この記事でわかること

  • 私が会話で疲れる3つの理由
  • 疲れたときに、その場でやっているリセットの方法
  • 疲れる場に無理して付き合わなくていい、と思える考え方

会話で疲れる3つの理由

私が会話で疲れる理由は、次の3つです。

  • 相手の口の動きを読み続ける
  • 聞き取れないときに聞き返す
  • 相手に気をつかう

まず、私は相手の口の動きを見ながら、音を聞いています。声だけでは聞き取れない部分を、口の形で補っているからです。これを、会話が続いているあいだ、ずっと続けていなければいけません。

眼鏡と補聴器をつけた男性が、大勢のディスカッション・飲み会・騒がしい場所での会話を思い浮かべながら、目の前の女性の口の動きを見て話を聞いている場面

そこに、聞き取れない場面が加わります。聞き取れなければ、聞き返します。1回で終わればいいのですが、何度も聞き返してしまうこともあります。

さらに、相手が初めて会う人だと、気遣いが増えます。自分から「聞こえにくいので」と先に伝える、聞き返す回数を減らそうとよけいに集中する、相手が困っていないか反応をうかがう。こうした気遣いが、いつもの会話に上乗せされます。

この3つが特に重なりやすいのが、大勢で話し合うディスカッション飲み会、そして騒がしい場所での会話です。声が重なったり、話す人が次々に変わったりする場面ほど、口の動きを読む・聞き返す・気をつかうの3つを同時にやる回数が増えるからです。

ひらめいたカワウソ
とおる

初めて会う人だと、気をつかう分だけ、もっと疲れます。

疲れたら、その場でリセットする

疲れると、私はぐったりします。

そこで私がやっているのは、その場から一度離れることです。

会議やイベントの合間の、ちょっとした空き時間に、トイレへ行きます。そこで深呼吸をしたり、スマホを見て気をそらしたりします。時間にして、だいたい5分から10分くらいです。

男性がトイレの個室で深呼吸をしたりスマホを見て気をそらしている場面と、夜の街角で外の空気を吸っている場面

これは、休憩というより、頭の中を一度リセットする作業だと思っています。ずっと同じ状態で聞き続けていると、頭の中がいっぱいになってしまいます。一度空っぽにしてから戻ったほうが、また聞くための力が出てきます。

ふつうの表情のカワウソ
とおる

トイレに行くと言うと大げさに聞こえますが、頭の中を空っぽにしているだけです。

飲み会のときも同じです。中にいると疲れがたまってくるので、外の空気を吸いに出ます。特に何か準備をしているわけではなく、疲れたと感じたら、そのつど外に出ているだけです。

そもそも、騒がしい会話は避ける

疲れてから休むだけでなく、疲れる場面に入る前に避ける、ということもやっています。

たとえば、何かのイベントの帰り道。会場を出ると、参加者どうしで立ち話が始まることがあります。まわりは騒がしく、声も重なります。

男性が、立ち話をしている数人のグループに「私はここで立ち寄るところがあるので、失礼します」と伝えて片手を挙げ、その場を離れようとしている場面

そういうとき、私は無理に会話に入りません。聞こえにくいから避けているとは言わず、こう伝えて離れます。

「私はここで立ち寄るところがあるので、失礼します」

これだけで、一番疲れる「騒がしい場所での会話」を、そもそも避けることができます。

無理して行かなくていい、という考え方

飲み会については、もうひとつ書いておきたいことがあります。

私は今、飲み会にほとんど行っていません。過去に無理して参加して、疲れた経験があるからです。

男性が考え込んでいる隣に「行きたくないときは理由を伝えて断る」というカードと、「これは業務ですか?業務であれば参加します」というセリフのカードがあり、右側には飲み会の場面に×印がついている

行きたくないとき、私は「勉強することがある」「予定が先に入っている」と伝えています。これで、たいていは通じます。それでも「なぜ来ないのか」としつこく聞かれたときだけ、私はこう答えています。

「これは業務ですか?業務であれば参加します」

飲み会が仕事の一部(業務)として扱われるなら、私は参加します。そうでないなら、断ってもいい場だと考えているからです。この言い方は、職場や相手によっては強く聞こえることもあると思うので、私はしつこく誘われたときだけ使うようにしています。

事前に「疲れやすいので」と説明する準備は、特にしていません。理由を説明するより、行くか行かないかをそのつど決めるほうが、私には合っています。

まとめ

私にとって会話は、音を聞くだけの作業ではありません。口の動きを読み、聞き返し、相手に気をつかう。この3つが重なるぶん、会話が続くほど疲れやすいのだと思っています。

だから私は、疲れたら5分から10分その場を離れます。最初から疲れるとわかっている場には、無理に入らないこともあります。

疲れる場面を無理に我慢することが、えらいわけではありません。疲れる前に離れる、疲れたらリセットする。それだけで、会話とのつきあい方は、だいぶ楽になります。

お辞儀をして感謝しているカワウソ
とおる

参加したいなら参加すればいいし、したくないなら無理しなくていい。それだけです。

会議での聞き取りを助けている文字起こしアプリの話は難聴の私が、文字起こしアプリを試してTeamsに落ち着いた理由に書いています。

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この記事を書いた人
とおる

両耳が聞こえにくい会社員です。障害者雇用の枠で働きながら、副業でせどりもしています。
聞こえないぶんは、AIと仕組みで補っています。補聴器とiPhoneを直結し、会議は字幕を使い、面倒な作業は自動で終わらせる。そんな日々の工夫を、専門用語なしで書いています。
妻と中学生の娘との3人家族です。

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